Interview: 佐藤さん

【佐藤李里】ユーザーの問題を一緒に理解する

3月18日・インタビュー

こんにちは。

James Philip Salvacion (JP)と申します。現在奥多摩日本語学校の留学生です。最近、私はUXデザインに興味を持っています。この記事では佐藤李里さんとのインタビューについてまとめました。

プロフィール:佐藤 李里(さとう りり)

佐藤さんはエンジニアからUXデザイナになりました。佐藤さんは九州大学で音響設計を専攻しましたが、ある大きなきっかけで、問題解決への情熱に気が付きました。そこで、社会的な意義があるツールやサービスを製作するために、エンジニアとして仕事を始めました。しかし、ただサービスを作るだけじゃなくて、なんでそれを作るのか、本当に作るべきソリューションは何なのかにフォーカスするために、UXデザイナーになることにしました。現在、東京に拠点を置く会社のUXデザイナーです。

このインタビューでは、UXデザイナーとしてのキャリアについて伺いました。UXデザインを務める佐藤さんにとって、UXデザインとは、何でしょうか。UXデザイナーになるために必要なものとは、何でしょうか。

佐藤さんのUXデザイナーとしての始まり

「なんでそれを作るのか、何を作るのかっていうところを考えていきたい」

—– 開発者からUXデザイナーになったきっかけは何ですか。いつですか。

もともとデザインがすごく好きだったんですけど、大学の時は音響設計(Acoustic Design)を勉強していて、どうやってスピーカーやミュージックホールを作るか等を学んでいました。なんですけど、大学の時に3.11(earthquake and tsunami in Tohoku)が発生して、問題解決のためのデザインに興味を持ちました。

そこですごくデザインに興味を持ったんですけど、デザイナーって絵が上手い人とかがなるものだと思って、私はなれるわけないと思ってたんです、その時は。で、日本って経験がなくてもエンジニアにはなることができて、で エンジニアとして物が作れるようになれば、問題解決のためのソリューションを作れるようになるんじゃないかと思って、エンジニアになったんですよ。

ただ、エンジニアとして働いているとどう物作るかっていうことを考えるんですけど、「なんでそれを作るのか、何を作るのかっていうところを考えていきたい」と思って。そうすると、エンジニアっていうより、UXデザイナーの方が近いんじゃないかと思ってですね。実際UXデザイナーとして働き出したのは一年ちょっと前です。

勉強方法:オンライン

—– UXデザイナーをどうやって勉強しましたか。

そのコースでは週に二回課題を提出していって、たとえば、Personaを作りましょうっていう課題があったり、今回はプロトタイプを作りましょうっていう課題があって、それを提出していくことによって、実際に一つのアプリのプロトタイプ作成を通じて一連のUXデザインのプロセスの流れが体験できるっていう形で勉強しました。

佐藤さんにとってのUXデザインの意味

—– UXデザイナをーどうやって勉強しましたか。

そのコースでは週に二回課題を提出していって、たとえば、Personaを作りましょうっていう課題があったり、今回はプロトタイプを作りましょうっていう課題があって、それを提出していくことによって、実際に一つのアプリのプロトタイプ作成を通じて一連のUXデザインのプロセスの流れが体験できるっていう形で勉強しました。

UXデザイン: みんなで一緒に企画すること

—– 佐藤さんにとって、UXデザインの意味は何ですか。

日本ではUXデザインって難しい言葉を使って説明されているのが多いんですけど、「UXデザインとはみんなで一緒に企画すること」だって言っている人がいたんですよ。それに私はすごく納得して。というのが元々エンジニアをしてた時には、「どうやって、どんな技術を使って作ろうか。」というのを考えるんですけど、それだと、結果的に使いやすい物ができなくて、ただ動くとか、ただ使えるっていうものになってしまい、結局作っても使われないとかがありました。サービスやソフトウェアの制作にはビジネス、エンジニアリング、デザインが関わりますが、UXデザインってそれらの全部が大事なんだよっていうことなのかなと思って。

佐藤さんのUXデザインの仕事

UXデザイン: みんなで一緒に企画すること

—– 今どんな仕事をしていますか。

今はクライアントワークをするUXデザインエージェンシーで働いています。実は、先月転職したばっかりなのでまだ会社の仕事の仕方に慣れるっていう段階なのですが…。一般的に日本でUXデザインエージェンシーで働くと、UXデザイナーとUIデザイナーとエンジニアの三人とか、もしくはUXデザイナーとUIデザイナーの二人でプロジェクトを進めていくことが多いと思います。で、私はそのUXデザイナーとして転職したんですけど。UXデザイナーがプロジェクトマネージメントとかディレクションをすることもあるので、肩書きとしてはUXデザイナー兼ディレクターとして仕事をしています。

実際何をするかっていうと、お客様の所に行って、お客様が「どんな物を作りたいとか」という話を聞いて。そしたら、「こういう風に作りましょう」っていうのを提案して、実際こういう風に作りますというのが決まったら、UIデザイナーさんやエンジニアさんにこういうタスクをしてね、とお願いする仕事の割り振りみたいなこともしています。

—– UXデザイナーとして、どんな一日を過ごしていますか 

今は入社したばかりなので、まだ他の方から社内のルールを教わったりとかっていうことも多いし、毎日違いますね…。お客様と定期的にミーティングをしたり、社内でミーティングをしたり、メールやチャットツールでやりとりしたり、ワイヤーフレームを書いたりすることが多いです。

—– 今フリーランサーとして働いていますか。

今はあまりフリーランサーとして働いていないですが、友人がビジネスしていたりするので、その手伝いみたいな形でたまに仕事をしています 。

—– 前にフリーランサーとしてどんなプロジェクトがありましたか。

フリーランサーとしてはたとえばちょっとUXデザインと離れちゃうんですけど、ロゴのデザインをしたりとか。あとはその会社さんがECサイトを作っていて、使いにくいからこう直したほうがいいんじゃないですかっていうのを提案したりしていました。

佐藤さんのUXデザインの仕事

ビジネス側の人たちの考えとユーザーの考えのバランス

—– UXデザイナーとして最大の課題は何ですか。

やっぱり、色んな狭間で考えなきゃいけないことが多くて、たとえばビジネス側の人たちの考えとユーザーの考えのどこを優先するのかとか。あとは私はエンジニアとしての経験もあるので、たとえばUIデザインはこっちのほうがいいんだけど、このUIデザインにすると実際エンジニアの人が大変だろうなあと感じることもあったり。その辺のバランスを考えながら、意思決定をしなきゃいけないのが大変ですね。  

—– プロジェクトマネージャーかクライアントが「このデザインは気に入らない」と言ったら、どうしますか。

私は情報設計っていう部分をメインでやっているんですね。情報設計というのは例えば「この画面の次にこの画面を出します。」みたいな部分を決定することです。なので、例えばユーザーにとってはこっちを出したほうが絶対分かりやすいと思って提案しているのにクライアントとしてはこっちを出さないと意味がない、みたいなことがあったりします。そこがすごく難しくて。ユーザーにとっては、すごくこっちがよかったとしても。クライアント企業としてはこういう風にありたいみたいな姿があるじゃないですか。例えば人間でも私は可愛く見られたいとか。クライアントがかっこいい会社を目指しているのに、かわいいのを提案したら、それはだめだよねといわれたりするので。そういう場合はクライアントの意図をよく聞いた上で、再度提案することが多いです。

佐藤さんのUXデザインのプロセス

ユーザーの感覚を考慮したデザイン方法: Human Centered Design (HCD) Process

—– ユーザーの意見を考慮したデザインを作るにあたって、どんな方法を使いますか。

HCDプロセス(Human Centered Design Process)というものがあるんですけど、それに則って、ユーザーの利用状況などをインタビュー等を通じて調査します。そこから得た情報とクライアントからの要求を視覚化し、ユーザー、クライアント双方の課題を解決するようなソリューションをプロトタイプとして作成し、ユーザーにテストをしてもらって、その結果をプロトタイプにまた反映したり、というのが一般的なやり方ですね。

佐藤さんのポートフォリオリンク: https://ririsato.com/ink-tank-ux-design-process

—– どんなユーザーを選びますか。どうやって選びますか。

そうですね。ものによるんですけど、やっぱりクライアントワークだとお客様が大体この辺りをターゲットにしたいとかっていうのがあるんです。たとえば、コーヒーを売っている会社があるとして、今現在はお客さんがほとんど高齢な人達だったりする。そうすると若い人にコーヒーを買ってもらわないと、そのうちコーヒーが売れなくなっちゃう。なので二十代に向けて、コーヒーを売りたい、というようなターゲットというのが会社にはあるんですよ。そういうところから、二十代の具体的にどんな人に売ればいいのか、というのをだんだんちっちゃく掘り下げていって決めていきます。  

—– インタビューする人を何人選びますか。

ユーザーテストは3人に行うと70%、5人に行うと80%のユーザビリティの問題がわかると言われているので、状況に応じて3~5人ぐらいすればいいと思います。

—– ユーザーテストする時に、もし問題があったら、プライオリティをどう決めますか。

そうですね。クライアントワークだったら、クライアントさんの要望もありますし。あとは、たとえば、アプリで画面としては30画面ありますという中で、みんな一番使う画面とかってあるじゃないですか。そこで何か問題があると影響が大きいのでそこのプライオリティが高くなります。その他にも、例えば、変更が簡単で影響度が大きいものから優先度をつけたりします。

佐藤さんのUXデザイナーへのアドバイス

専門性: ユーザーの問題を一緒に理解すること

—– 優れたUXデザイナーになるための、最初の一歩は何ですか。

UXデザインってみんなあまりよくわかっていないのに最近流行っているのでやりたいみたいな人が多いんですけど、実際にお客様やチームの人に理解してもらえないことが多いので、人を巻き込んでこういうやり方をやっていこうという風に人に発信して、納得してもらう、そういう力が一番大事なんじゃないかと思います。

未経験者も採用される可能性

—– 何を観察していますか。日本市場の動向とか要望とかをどう思いますか。

日本の労働市場という意味で言うとUXデザインって基本的に情報が全部英語からきているので。日本人て英語が苦手な人が多いので、あまりUXデザインの情報得られない人多いんですよ。なので、たとえば、(インタビュアーの)みなさんのような英語が得意な人は有利だと思います。あと、日本は若ければ経験が浅くても採用してもらえる可能性が他の国より高いと思います。あとは今で言うと東京オリンピックが2020年にあるので、それに向けて開発をしている会社がすごく多いので。仕事がいっぱいあるけど人が足りていない状態です。   

「自分がメインとしてやりたいこと

—– どんなスキルと知識が必要だと思いますか。

求められるスキルも広いんですよね。ビジネスのことを深く考えるUXデザイナーもいれば、UIデザインがメインの人もいます。どこを自分がメインとしてやりたいかというのを最初に決めて、そこについてスキルを伸ばしていったほうがいい。一気に全部やろうとすると、大変なので。

インタビューを終えて

以前、私は奥多摩町の住民向けにITサービスのUXデザインを作り、私はUXデザインを将来のキャリアパスとして真剣に考えるようになりました。

インタビューするUXデザイナーを探していた時、佐藤さんのプロフィールを見つけました。佐藤さんは音響設計を専攻したそうです。しかし、「Since 3.11 earthquake and tsunami happened in Tohoku, Japan, I started having a strong interest in designing for problem-solving 」 というバックグラウンドを読んだ後、佐藤さんのストーリーが知りたいと思いました。

佐藤さんは現在、東京に拠点を置く会社のUXデザイナーですから、たぶん忙しくて私はチャンスがないかもしれないと思いましたが、佐藤さんにインタビューのオファーをしました。佐藤さんはインタビューを受けてくれると言ったので本当に嬉しかったです。インタビューをとてもたのしみにしていました。

インタビューの日、私は興奮していましたが、どうなるのかと心配せずにはいられませんでした。日本のITの業界でUXデザイナーを務める人と直接に、そして個人的に話すことは私にとって初めての事なので、インタビューは簡単なこととは思っていませんでした。でも、佐藤さんの共感のおかげで、問題なくできました。私がわからない言葉を翻訳してくれたり、やさしい言葉を使ってくれたりしましたから、よく理解できました。

佐藤さんのお話から、私はUXデザインについてだけでなく、将来実現可能なキャリアについても学びました。未経験であったとしても、自分がメインにやりたいことがあるなら、努力すれば、キャリアとして追求することができると気づきました。

インタビューというより、メンターとのカジュアルな会話のように感じました。別れの前に、佐藤さんは「もし仕事に関して質問があったら、いつでもお気軽にお聞きください」とおっしゃってくれました。佐藤さんに会うこの機会は間違いなく忘れられない経験で、いい思い出です。

佐藤さん、ありがとうございました!

James Philip Salvacion

奥多摩日本語学校の留学生
Qiita: jpgsalvacion
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